どう?可愛いでしょ?


昨日の夜にぴっかぴかに磨いた爪に、パステルピンクのマニキュアをグラデーションに見えるように綺麗に塗ったんだ。


いかにも女の子って感じでしょ?




「その爪は校則違反です。さっさと取ってください」


「え~!可愛いのに……」


「可愛さなんてどうでもいいです」




唇を尖らせて上目遣いで進藤くんを見ても、進藤くんは目をつり上げたまま。


誰にでも敬語をつかう真面目な風紀委員の進藤くんは、言い方が少しキツい。


そのせいか、クラスの女子は進藤くんのことをちょっと怖がってる。




「イケメンが台無しだぞっ」




あたしが冗談半分で進藤くんの眉間のしわをつついてみた。


せっかくかっこいいのに、いっつも睨んでたら怖いって思っちゃうに決まってるじゃん。


もっと笑顔でいたらいいのに。



なんて、思ってるけど絶対に言わない。