「お、おかしくないよ」
「おかしいですよ」
クッと喉を鳴らしながら見せる進藤くんの笑顔を見ていたら、おかしいだとか変だとか思われてもいっかと思ってしまった。
だって、そんな甘い笑みを見ちゃったら、何も考えられなくなっちゃったんだもん。
明日はどんな違反をしようか。
今日は君との距離が少し縮まった気がする。そう思うのは、勘違いじゃない……よね?
もっともっと近づいて、君の笑顔を独占したい。
そのためにあたしは、明日もわざと悪い子になる。
――放課後。
明日はカラコンでもしてこようかな~。
帰宅部のあたしは、生徒玄関へと続く廊下をルンルン気分で歩いていた。