「どうしてセレーネ家のこと知りながら、助けなかったんですか」
「え?」
「聞きましたよ。
セレーネ家から色々泣き声が聞こえても誰も助けなかったって」
調査表に、警察に通報したなんて話も、再び養護施設に預けたとも書いていなかった。
現にシエルは両親のもとに戻った。
「どうしてセレーネ家のこと知りながら、助けなかったんですか」
「だってあそこの家…怒ると誰も手が付けられないって」
「自分で助けるのが難しいなら、誰かに頼めば良いでしょう。
警察とか施設とか、そういう問題を扱う機関とか。
話すばかりでどうして助けようとしなかったんですか」
黙りこむおばさんたち。
わたしは後ろに立っていたドクを見た。
「行くわよセレーネ家に。
誰も助けることが出来ず、誰にも助けてもらえなかったシエルを、わたしが助けるわ」
自己満足で良い。
綺麗事だと思われても良い。
お友達を、わたしは助けたい。



