「あの家、本当に評判良くないわよねぇ」
「あの子が本当に不憫で仕方ないわ」
あの子。
シエルのことを言っているのかもしれない。
調査表にシエルにキョウダイがいるということは書いていなかったから。
「いつになるかしらねぇ…。
何年も前になるけどねぇ。
夜な夜な泣き声が聞こえてきたのよ、男の子の。
間にごめんなさいって謝る声も聞こえてきて。
旦那さんと奥さんの怒る声も聞こえるし…本当怖いわよねぇ」
他人事のように話すおばさんたち。
ごめんなさいって…シエル、そういえば謝っていたっけ?
触れたことで、色々なこと思い出しちゃったのかな。
「もう…本当助けてあげたかったわ」
「小さな子どもにあの家は何をしていたのかしらね」
「あぁ怖い…怖いわぁ」
セレーネ家に感じたことを「怖い」と共感するおばさんたち。
わたしは段々と怒りを覚えていた。



