心に届く歌








☆☆☆





シエルが住むノール村に着いたのは、眩しく出ていた太陽が半分だけ姿を見せている頃だった。





「お疲れ様でしたお嬢様」


「あなたもお疲れ様、ドク」




途中で色々休んだり、お店に入ったりしたけど、なかなか疲れていた。

気になって眠れないと言っていたのに、途中で眠ってしまった。




「ふぁ……」


「お嬢様、お疲れでしたら車の中で待っていてもよろしいのですよ?」


「大丈夫。一緒に行くわ」


「お嬢様が良いのならよろしいのですが…。
もしかして昨日お嬢様、眠っていらっしゃらないのですか?」


「ええ。
シエルの熱が下がるまで、ずっとタオルを交換していたんだもの」


「寝不足で来られたのですか!?」


「ええそうよ。
熱が高くてすぐに冷たいタオルもぬるくなっちゃうから、目が離せなくて」





何が楽しいのか、わたしの口から「ふふっ」と笑いがこぼれる。

人を看病したのが初めてだからかもしれないわね。

本当あのお友達は、わたしに“初めて”をいっぱい経験させてくれたわ。