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シエルが住むノール村に着いたのは、眩しく出ていた太陽が半分だけ姿を見せている頃だった。
「お疲れ様でしたお嬢様」
「あなたもお疲れ様、ドク」
途中で色々休んだり、お店に入ったりしたけど、なかなか疲れていた。
気になって眠れないと言っていたのに、途中で眠ってしまった。
「ふぁ……」
「お嬢様、お疲れでしたら車の中で待っていてもよろしいのですよ?」
「大丈夫。一緒に行くわ」
「お嬢様が良いのならよろしいのですが…。
もしかして昨日お嬢様、眠っていらっしゃらないのですか?」
「ええ。
シエルの熱が下がるまで、ずっとタオルを交換していたんだもの」
「寝不足で来られたのですか!?」
「ええそうよ。
熱が高くてすぐに冷たいタオルもぬるくなっちゃうから、目が離せなくて」
何が楽しいのか、わたしの口から「ふふっ」と笑いがこぼれる。
人を看病したのが初めてだからかもしれないわね。
本当あのお友達は、わたしに“初めて”をいっぱい経験させてくれたわ。



