「シエル・セレーネをノール村に住むセレーネ夫妻の元に戻すのは危険でございます。
この屋敷で保護出来ぬのであれば、施設などに預けた方が安全です」
「ドクくん、危険だの安全だの、何を言っているのだ」
「こちらをご覧ください。旦那様、奥様」
ドクは手に持っていた紙の束をお父様とお母様に渡す。
背の高さの関係上、わたしは見えない。
ぺらぺらと書類をめくる音だけ玄関に響いた。
「……これは本当か」
「ええ。
信頼出来る方に聞いたので、間違いありません」
「…ドクくんが調べた結果が本当なら、戻すのは危険だ」
お父様とお母様とドクだけ知るシエル・セレーネ。
わたしはお父様の手から紙を奪った。



