「では」と頭を下げ部屋に向かおうとすると。
向こうからドクが紙の束を片手に走ってきた。
「ドク?」
「お嬢様!シエル様は!?」
「シエルなら、今ご両親と一緒に帰ったけど…?」
「ご両親と!?
それはセレーネご夫妻でございますか!?」
「ドクくんどうした。
キミにしてはやけに慌てて、らしくないぞ」
お父様の言うとおり、ドクはいつだって冷静沈着。
だけど今のドクは、いつも冷静さを失ったかのように慌てていた。
ドクはお父様とお母様、わたしの前に片膝を立て跪いた。
「今すぐ、シエル・セレーネをお呼び出しください」
「ど、ドク?一体何をあなたは言うの?」
もう1度出会ってしまったら、きっと別れられなくなる。



