「……行ったのかしら?」 「イヴェール」 後ろからお母様が現れ、お父様が声をかける。 「エル。 部屋に戻ってお勉強なさい。 今日は家庭教師がお見えになるから」 「…………」 週に何回か、家に家庭教師が来る。 わたしは、エル・ソレイユ。 ソレイユ王国の次期国王。 「……はい。 また改めて、ソレイユ王国を担える存在になるよう、頑張ります」 わたしの言葉に、いつも「頑張って」と応援してくれるお父様とお母様。 でも今日ふたりは何も言わなかった。