心に届く歌








「エル、お前は来なくても良いんだぞ」



家の玄関にお父様が立っていた。

わたしはシエルより前に出て、お父様に言った。




「最後に送ることぐらいさせてよ、お父様」


「……まぁ良いだろう。
彼を救ったのはエルなのだからな」


「ありがとうお父様」




わたしはお父様と向かい合う、男女を見た。




男性も女性も、シエルとは比べ物にならないぐらい太っていた。

着ている服は良いものとは言えないけど。

シエルの両親ではないのか、と疑ってしまった。




「エル。
彼のご両親だ」




お父様が言うと、男女は無言で頭を下げる。

…どう見たって、シエルの両親に見えない。