「シエル?」
「……わかりました。
今までお世話になりました。
あなただけではなく、多くの方にも」
「言っておくわね今度。
元気でねシエル」
「……あなたから貰った優しさも、ご飯の美味しさも、忘れません」
「だからあなたは大げさなのよ」
「でも…本当のことです。
感謝しています、ありがとうございました」
シエルから聞く、お礼の言葉。
それを聞く度、本当にお別れなのだなって思う。
思えば不思議だった。
ティラン伯爵にクビを言い渡されてしまったシエル。
何故だかとても気になって、初めて焦って探した。
腕や足に走る、無数の包帯と傷痕。
それが出来た原因はわからないけど。
頭に出来たあの傷が出来た原因も、想像だけで終わったけど。
わからないままで、想像で終わって良い。
わたしたちは別れるのだから。



