「…本物かどうかなんて関係ねぇ。
お前は俺と結婚するんだろ」

「嘘つきは嫌いよ」

「…うるせぇな」



プーセはわたしの腕を乱暴に掴み、わたしが座っていたソファーに倒れこませた。



「黙って俺の女になっておけよ」

「この際だから言っておくわ」



わたしは真っ直ぐプーセを見つめる。

大切な人がいるから、わたしは何も怖くない。



「わたしは、シエルが好き」

「あの貧乏人が?」

「貧乏人でもお金持ちでも関係ない。
わたしはシエルの人格に惚れたの。

あんたなんて、好きじゃない」




わたしの真っ直ぐな言葉に、プーセはキレた。

もうすぐで顔同士がぶつかりそうな位置に、プーセの顔がある。




「ふざけるな!俺の女だろ!?」

「わたしが好きなのはシエルよ!」

「あんな貧乏人見るんじゃねぇ!!」

「この世の全てはお金じゃない!!」




確かにお金も大事だけど、それが1番じゃない。

わたしはお金より、シエルだ。

シエルのことが、大好きなんだ。