「未練タラタラなこと言ってんじゃねぇよ」

「……プーセ」



最近わたしの部屋に入り浸っているプーセ。

煙草をよく吸うので、煙が部屋中に充満してしょうがない。



「ソイツを幸せにしてぇから俺と婚約したんだろ。
もう書類は出しているし、うるせぇんだよ」

「…………」




わたしは黙って布団を握る。



「黙ってお前は準備してろ」

「……わかっているわよっ!
もう寝るからあんたは出て行って」

「……はいはい」




プーセは煙草を吸ったまま部屋を出て行く。

わたしはすぐに消臭剤スプレーを部屋中にまいた。



「……シエル、元気かな。
体調崩さないでほしいんだけど……」



わたしは夜8時だけど、寝ることにした。

寝て全てを忘れていたかった。