心に届く歌







暫く泣いて泣きまくって、いつの間にかわたしは眠りに落ちていたらしく、起きると夜中の2時をさしていた。

泣いたからか喉が渇いた。

お水でも飲もうと立ち上がったわたしは、音に気がついた。




「♪
太陽と月が巡り合う時
そこに生まれるのは優しさ

この歌が国中に響きますように

光と闇が見合わせる時
そこに生まれるのは未来

この歌が国中に届きますように
♪」




わたしは喉の渇きを忘れ、バルコニーに出るための扉を開けた。

そこには愛しい人が、手摺りに寄りかかりながら綺麗な夜空を見上げ静かに歌っていた。




「……シエル」




再び同じ部分を歌い出したシエルは、歌うのを止めて振り向く。

わたしは隣に並び、手摺りに寄りかかった。



「だいぶ思い出したんだね……その歌」

「はい……自然と歌詞が出てくるようになりました」

「シエル、熱は?」

「微熱ぐらいに下がりました」

「じゃあ中に入っていないと」



寒くはないけど、寝間着姿じゃ悪化してしまうかもしれない。

でもシエルは首を振った。



「綺麗だから……ここにいたいんです」

「……確かに綺麗よね。今日天気良かったから」



頭上には満天とまではいかないけど、星が煌めいている。



「シエル……どうしたの?」



星を見上げながら聞くと、シエルも同じく星を見上げながら呟いた。



「謝り、たくて」

「え?」

「さっきは酷いこといってごめんなさい。
謝りたくて、こんな深夜に訪ねちゃいました。
さっきまでずっと寝ていたので……」




くぁ、と欠伸をするシエル。

わたしは首をシエルへ向け、頭を下げた。