心に届く歌








見つかっていない月の真珠。

それは紺色の紐に通された5つの真珠で出来ている。

今も遺体が見つかっていないリュンヌ王国王子様。




シエルはボロボロだった男性に、施設へ連れて来られたと施設長から聞いたと言っていた。

もしそのボロボロの男性が、執事だったりしたら。

恐らく戦争でボロボロになり、自分の死期を悟った執事が、施設に生まれたばかりの王子様を預けても可笑しくない。



そういえばシエルはつけているってことは、このネックレスの存在を知っていた。

思えば、初めて月の真珠の存在をアンスから聞いた時、シエルは頭を痛がっていた。

寝不足だとその後ドクに診断されたけど……。



それに、お母様から太陽の真珠の存在を聞いた時、シエルは聞いていた。

リュンヌ王国の王子様の名前を知っていますか、と。




「……色々考えれば考えるほど、シエルが王子様…?」



どうすれば、シエルがリュンヌ王国王子様であると証明出来る?

「うーん」と考えていると。



「……エル様?」

「シエルっ……」

「……あれ…?何だかスースーします……」



不思議そうな顔をしたシエルが、片手を上げる。

そして、自分の露わになった額…そして真珠に触れた。



「……は?」

「あっ!!」



わたしは急いで、前髪を押さえていた手を離す。

真珠へ触れていたシエルの手に、前髪がパサリとかかる。



「……エル、様…」

「ごめっ……見るつもりなくって…」




慌てて謝罪するけど、見るつもりはあった。

音の正体が知りたい、好奇心のあまりシエルの頑なに上げなかった額に触れてしまった。

シエルが隠していた秘密も知ってしまった。