心に届く歌








☆エルside☆





「正式に頼むぞ、シエルくん」

「はい。頑張ります」




わたしの第1執事の証であるバッジを受け取ったシエルは、執事服につけた。

笑みは浮かべないものの、バッジをつけてシエルは嬉しそうだった。




「しかしエル…変わらずの順位だな」

「ふふ、でしょう?」



お父様は呆れ顔。




元々全国民が受けるテストでも、王族は受けなくても良いと言われていた。

現に伯爵の娘であり中心街出身のお母様は受けていたけど、

ソレイユの名前を持つお父様は受けていなかった。



わたしも勉強嫌いだし受けたくなかったんだけど、

少しでもわたしが王になることへの反発者を少なくしたくて。

学校には行かなかったものの家庭教師に教わり勉強をして、

毎年テストを受け、1位以外を取ることがないようにしてきた。

6歳ぐらいからずっと1位なので、かれこれ十数年は1位を取り続けている。



2位は大体アンス。

元気がよくて明るいアンスだけど、実は国立のあの学校で1番の成績優秀者。

定期テストも満点を全教科総なめしているし、趣味で学校で教わらない勉強もしてしまうほど。

人は本当に見かけによらない。

その上アンスは運動も得意でコミュニケーション能力も高いから、とても羨ましい。




国民はソンジュさんが配ったと認めたあのA4サイズの紙を見ているため、

シエルが村出身だということは多くの国民に広がっている。

そんなシエルが2位という成績を取ったのだから、今国中で騒然としているだろう。






「驚きました…エル様が出ているなんて」

「出なくて良いと言っているんだけどなぁ」




お父様がシエルと話してクスクス笑う。

シエルとはかなり仲が良くて、まるで本物の親子みたい。

シエルには、本物の家族を知ってもらいたい。

暴力なんてない家族を教えてあげたい。