心に届く歌








「そうっ…僕は生きたかった。

生きて、幸せになりたかった。
だから、死なないよう切るのも気を付けていた。

誰かにこうして…抱きしめてほしかった」


「シエル。
ひとりで辛くなったらわたしを呼ぶか、声あげて?

誰かがシエルの存在に気がつくからね」




わたしはシエルの頬にそっとキスをする。

さっき、シエルがしてくれたように。




「っ……エル様…」


「お返し」



てへっと笑ってみると、シエルはくしゃっと顔を歪め、

堰を切ったかのように泣き出した。




「ずっと思ってた…何で何で僕こんな辛い思いしなくちゃいけないの?
世の中は全部平等じゃないのっ…?」


「そうだね……。
平等なはずだけど、シエルは辛いことばかり経験してるね」




よしよしと頭を撫でる。

聞こえてくる嗚咽が哀しい。