☆エルside☆
わたしは眠れず、ベッドの上ひたすらゴロゴロと往復していた。
すると、ノック音もなく、お母様が顔を出した。
「おはようエルちゃん」
「え、お母様?随分早起きね」
「心配でまだ眠れていなかったの。
これから少し寝るわ」
お母様が後ろに向かって手招きをすると、お父様が入ってきた。
家族揃うのは久しぶり…と思うわたしの目は、お父様の腕に向かった。
「え…、シエル?」
お父様に抱かれて眠っているのは、シエル。
服に頬をつけ、ぐっすり眠っているみたいだった。
「どうしてシエルが…」
「泣き疲れちゃって寝ちゃったのよ。
本当、息子がいるのも良いわよね」
「な、泣き疲れて寝た?
シエル、泣いたの?」
「ええ。
さっきまでずっと泣いていたの。
ずっとずっと、あの小さな体に抱えていたのね」
お父様がわたしのベッドの上にシエルを乗せ、布団を掛ける。
そして「シエルくんをよろしくな」と部屋をふたりして出て行った。
一体…ふたりは何をしたのかしら?
「シエル…」
わたしはシエルを踏まないようベッドに腰かけ、髪を梳く。
前髪越しに額に触れると、熱はないみたいで良かった。



