心に届く歌








「話は色々聞いているよ」


「…そうですか」


「そんなに固くならないでも良いよ。
ごく普通に話してくれて構わないからね」


「…元々、初対面にはこういう話し方です…」


「あぁそうなの。
だったら無理しないで良いや」



国王様はクスクスと笑う。

僕は気になったことを聞いてみた。




「どうして、僕を訪ねて来たのですか?」


「そりゃあエルの第1執事候補だからね。
勉強はどう?進んでる?」


「…クラスメイトに、バレてしまいました。
僕が、村出身だってこと」


「あーバレたの?どうして」


「…わからないです。
A4サイズの紙に、色々書かれていたみたいで」


「アンスくんにも?」


「アンスには…自分から言いました」


「良いと思うよ、それを言うのは。
アンスくんは友達思いで優しい子だからね。

明るいしテンション高い子だけど、口は堅い子だから、信頼して良いよ」


「…アンス、評判良いんですか」


「アンスくんだけじゃなくて、彼の家系は基本良い人ばかりだよ。
何度彼のお祖父さんに助けてもらったか。

彼のお祖父さんが、本家を建ててくれたんだよ」


「え?」


「本家だけじゃなく、この寮も彼のお祖父さんが設計して建てたんだよ。
家だけじゃなくて、中心街の噴水もそうだね」




あの噴水も…。

クザン家の名前は知らなかったけど、それだけですごい家だとわかる。




「アンスくんはずっとお祖父さんと一緒に行動してきたから、
今の当主であるお父さんより、お祖父さんに価値観が似ているね。

きっと彼も、立派な設計士でありクザン家当主になると思うよ」


「凄い人だったんですね…。
優しくて明るいとは思っていたんですけど…そこまでとは」


「仲良くしていると、色々とメリットがあると思うよ。
仕事としても、自分としてもね」




プランタン国王様は僕を見てにっこり笑う。

その笑顔は、エル様に似ていて。

親子なんだなって、思った。