心に届く歌








家に着き、車の駐車を呼んだ運転手に任せたドクは、

シエルを背負いわたしの部屋へ行き、手当てを始めた。





「服、脱げますか?」


「……はい…」




シエルは頷いたものの、顔をほんのり赤く染め、わたしを見た。




「見ないでください……恥ずかしいです…」


「え?」




わたしはそこで初めて、立ち上がってシエルに背を向ける。

その間に、ドクはシエルの体の手当てを終えた。

良いよと言われ振り向くと、シエルが上の服を着ている所だった。

チラッと見えた肌には、真っ白な包帯がいくつも巻かれていた。

足も検査結果は捻挫だったみたいで、包帯が巻かれた。



「だいぶ傷が多かったのですが、ひとつひとつは浅いので、数日もすれば治ると思いますよ。
足の方は、暫く安静にしておいてくださいね」


「はい……」


「わかったわ。
どうもありがとうドク」


「では、わたくしは戻りますね。
お嬢様とシエル様、ゆっくりお休みくださいね」




笑ったドクは部屋を出て行く。

わたしは隣で縮こまっているシエルを見た。




「シエル。無事で良かった」


「……」


「一通り手当てしてもらったけど、他に痛む所とかある?
具合悪い所は?」


「…どちらも、ないです」


「良かった」




膝の上に置かれていたシエルの手を、そっと握る。

シエルは一瞬ビクッとしたものの、控えめに握り返してきた。