「あとは、戻ったらやりましょう。
ここは寒いですから、ね。
あと痛い所ありますか?」
「……ない、です」
「立てそうですか?」
さっきのこともあり、ドクが尋ねると、シエルは俯いて首を振った。
「……足、痛いんです…」
「え?」
「シェフさんに頼まれて…買い物に出た時からずっと痛くて…」
「触れても良いですか?」
シエルが頷くと、ドクはそっとシエルのパンツをめくった。
足首の辺りが、赤黒く腫れている。
触れたドクは、暫く診た後パンツをおろした。
「…恐らく捻挫ですね。
数週間もすれば治ると思いますから、大丈夫ですよ」
「……本当?良かった…」
「詳しくは戻ってから診ましょうね」
シエルは頷き、前にしゃがみ込んだドクの背中に乗った。
わたしとアンスは、セレーネ家を出ることにした。



