「あっ!この間の王女様!」
「ど、どうされたんですか?」
「あなたたちあの家の息子の知り合いよね!?」
「息子じゃなくて養子でしょ!」
おばさんが早口で言い、もうひとりが突っ込みを入れる。
あの家の息子……養子。
間違いなくシエルのことを言っているんだ。
「シエル?
セレーネ家のシエルのことでしょ?
何があったの!?」
わたしは後ろのアンスに懐中電灯を押しつけ、おばさんの肩を掴み聞いた。
おばさんは驚いていたものの、早口で説明した。
「さっきから『助けて』って声が聞こえるの。
一応警察を呼んでおいたのだけど……!」
「『助けて』?シエルはそう言ったのね?」
「息子かどうかわからないけど……男の声だったわ」
「わかったわ。
おばさんたち寒いかもしれないけどここにいて。
警察が来たら、シエルの家を案内してあげて」
おばさんたちが頷いたのを見て、
わたしはアンスから懐中電灯を再び奪い取り、シエルの家へ走って行った。
後ろからアンスやドクの声がするけど、もう無我夢中だった。
『助けて』
それは99、9%、シエルのSOS。



