心に届く歌








「……あった」




物置として使われている、僕の拷問部屋。

雑に積まれた分厚い本の間が、不自然に盛り上がっていて。

本の山を崩して開くと、赤く錆びたカッターナイフが出てきた。




「…見つけた」




さっき、両親が僕を見つけた時も、こんな気分だったのかな。

賭け事に失敗した時、ストレスが溜まった時。

様々な理由をつけ、両親は僕を殴ってきた。

そんなストレス発散道具の僕が消え、発散する場所がなく、苦しんでいたであろう両親。

僕を見つけた時の嬉しさは、今大いにわかる。

僕が見つけた、一筋の光。

それが、僕の最大にして最凶の相棒、カッターナイフ。





ようやく見つけられて、

僕は、ひどく、嬉しいよ。

久しぶりだね、僕のオトモダチ。





チキ、チキ、チキ、

ゆっくりレバーを押し上げ、太い刃を出す。

光なんて小さな天井からぶら下がる電球しかないけど、ヌラリと光った気がした。

この鋭い刃に、僕は何度心を救われたか。




「……これぐらい、かな」




切ろうとした時、ハタと気が付く。

左手首に巻かれた、真っ白な包帯。

右利きだから、左にした。




「……」



ジャマ。