心に届く歌








「…もう…頼むから、殺してくれよ」




義母はお酒を飲むと、義父より酷かった。

何度も僕の首を絞めたり、ナイフで体を傷つけたり。

殺してほしかったけど、義母は僕を殺したりしなかった。



義母は僕を切るために使ったナイフを、最後は僕に渡してきた。

受け取った僕は、そのナイフで自分の手首を傷つけ始めた。

それが、1番最初。

自分で自分を切る僕を見て、義母は声を上げて涙を流して笑っていた。

『良いわよ良いわよ、その調子』




後日、義母は僕に初めてのプレゼントをくれた。

包装されていない、恐らく万引きしたであろうそれは、カッターナイフ。

『あげる』と恍惚とした笑みを見せた義母の前で、

僕は新品のカッターナイフで自分の何度も切りつけた手首を切った。

義母はやっぱり、笑っていた。

『思った通りだわ。その調子でどんどんやりなさい』





「…カッター、どこにやったっけ…?」




義母からプレゼントされたカッターナイフは、ドクさんの手元にある。

初めてのプレゼントで嬉しかったのか、ずっと肌身離さず持っていた。

だけど1本で足りなくて、それから何度も両親のため稼いだお給料でカッターナイフを購入した。

何本も買ったカッターナイフは、きっとこの家にも残っているはず。

僕がいつだって殴られたりした時は、この部屋だったから、多分どこかに隠しているはず。





「…どこどこ…カッターどこ……」




さっきまで痛みに苦しくなっていたけど、簡単に起き上がって、僕はカッターを探していた。

ないと…カッターがないと、僕…壊レチャウ。