「シエル。
明日新しいメイドと執事来るの?」



僕がギリギリオッケーを貰えた紅茶を飲むエル様。

美味しくないと思うのに、エル様は飲んでくださる。

文句言わず飲むエル様を見て、僕も頑張らなくてはと意気込む。




「ええ。
詳しいことは聞いておりませんが、先ほどおじさんに言われました」


「へぇ……仲良くなれると良いわね」


「……難しいかもです。人と接するの苦手なので…」


「シエル」




ペシッと軽く手を叩かれる。

手には時間が経ち元々苦いのにますます苦くなった紅茶の入ったカップを持っていたけど、

こぼすことなく水面が揺れただけだった。