「ごめんなさいっ……」
「どうしたの?」
「聞こえるんです……夜になる、と」
「何が聞こえるの?」
「りょっ……両親の、声が、聞こえるん、です」
「……どんな風?無理して言わなくて良いけど」
「役立たずとか……お前なんて生きている意味ないとか……
全部本当のことなのに……すごくすごく怖いんです……」
「シエル。
そんなに自分を否定しないで」
「だって……!」
「それで?どうしてわたしの所来たの?」
エル様が僕の言葉を遮り聞いてくる。
僕はグスッと鼻を鳴らして再び話した。
「わかりませんっ……。
部屋にいるのが嫌で、気が付いたら、ここにいました。
戻ろうと思ったんですけど、足が震えていて、戻れなくって。
怖い怖いこわいこわい……やだぁっ……」
ぎゅっと強く耳を両手で塞ぐ。
幸せなはずなのに。
もうどこにも両親の姿はないのに。
あの怒鳴り声は、いつだって耳に残っている。



