心に届く歌








「いただきます」


「いただきまーす」




シエルがお昼ご飯のお弁当を食べ、

わたしはオヤツのチョコレートケーキを食べた。




「シエル、具合は平気なの?」


「はい。
もう大丈夫です」




ぱくぱくと食べて行くシエル。

確かに食欲もあるようだし…大丈夫みたいね。




「そういえば今日、アンスの家のシェフさんが作ったサンドイッチを食べました」




シエルがサンドイッチを食べながら言う。

シエルの口から学校生活が出るのは初めてだ。

2日目だから初めてなのかもしれないけど、シエルの口から友達の名前が出るのは嬉しいものだ。




「すごく美味しかったんですけど、やっぱりこのサンドイッチが僕は好きです」


「ふふっ。
美味しいってシェフに伝えたら、きっと嬉しがるわよ」


「じゃあ今度言ってみます。
色々話したいこともあったので」


「話したいこと?」


「……ちょっと色々謝らなければいけないことがあるので」




ぱくりとお弁当の最後の一口であるサンドイッチを食べるシエル。

はぐらかされたけど、きっと昨日の夜ご飯残したことや、朝ご飯をいらないと言ったことだろう。

シエルってば……本当相手を気にするんだから。

気にするのは良いかもしれないけど、シエルの場合気遣いすぎの気もする。




「ご馳走様でした。

それでは僕、シェフさんに話があるのでこれで失礼致します。
その後色々勉強とかやることあるので」


「えっ、ちょっ、シエル!」




食べ終わったらわたしの本心を言おうと思っていたのに、シエルは部屋を出て行ってしまった。

行動速いんだから……まったく。



わたしはチョコレートケーキを大きく切り分け、口に運んだ。