心に届く歌








「……何で、わかったんですか。僕が起きているって」


「震えていたから、シエル」




わたしが保健室に入ってシエルを見た時、シエルは微かにだけど震えていた。



「寝ている時、シエルが震えているの、わたし見たことないから」


「……すごいです」


「シエル、今具合は大丈夫?」


「…………」


「シエル。素直に言って良いんだよ。
わたしはシエルの味方だから」




シエルは少し顔を上げると、「えっと、えぇっと」と前置きの後、呟いた。




「……お腹が空きました…」


「シエル、お昼は食べたの?」


「お昼ぐらいに具合悪くて……食べられませんでした」




きゅるるるる……とお腹の鳴る音が聞こえる。

わたしはクスッと笑った。




「家に帰ったらお昼ご飯食べようか。
わたしもオヤツ食べたいから、一緒に食べようシエル」


「……はいっ」




少しだけ。

ほんの少しだけ、シエルの口角が上がる。

……シエル、笑ってくれた?





わたしはすごく嬉しくなって、車にシエルと戻った。