『もし時間あるなら、シエルのこと迎えに来てやれよ。
シエル、エルちゃんに話あるみてぇだし』
「話……?」
『シエルから聞いたぜー?
エルちゃん、シエルに好きだって言ったんだろ?』
「……言った、うん、言ったよ」
『そのことについて、シエルの奴、迷惑だとか言ったんだろ?
迷惑だって言ったこと、すげぇシエルが気にしてて、多分その結果、夜から具合悪いんだと思う。
シエル、すげぇ繊細な奴だと思うから』
「繊細……?どうしてそう思うの?」
確かにシエルは繊細だとわたしも思う。
だけそれは、シエルが過去に両親から虐待に合っていたかもしれない事実を知ってから。
見た目だけでも、シエルは繊細だとアンスは思うのかしら?
『だってシエル、親から虐待に合っていたんだろ?
多分シエルにとっては大きなトラウマなんだろうな。
ずーっと震えていたし、自虐的な発言多いし。
自分の存在否定され続けてきた人にありがちな傾向だよな』
「え……?
アンス、シエルの過去聞いたの……?」
『ほんの一部だけど、シエルが話してくれた。
間違えて口走ったんだよ、シエル。
自分が村出身だってことも、殴られていたことも。
左手首の傷も見せてもらった』
シエル……アンスに話したんだ。
何だか、ほんの少し、胸が痛む。
『あとわかったのが、シエルがかなりエルちゃんのこと、尊敬しているってことだな』
「シエルが?わたしのこと?」
『ああ。
エルちゃんに助けてもらったこと言っていたけど、
尊敬していて信頼しているんだってすっげぇ伝わってきた。
エルちゃん、あんな自虐的で自分を否定してばっかりのシエルの心、少しだけ開けてんじゃね?』
さっき、胸が少し痛んだけど。
アンスの言葉が、すごく嬉しかった。
シエル……少しでも心、わたしに開いているのかな。



