心に届く歌








「学力も知識も何もなかった僕に、学校に行かせてくれるのも、実はプランタン国王様とイヴェール王妃様のお蔭なんだ」


「……え?国王と王妃にお前学費出してもらっているのか!?」


「うん。
だから本当に……僕はエル様に助けてもらっているんだ。

それなのに……昨日僕はエル様の気持ちを、迷惑だって……」




ボロボロと涙がこぼれる。

シエルが自分の人生の一部を話してくれた時より、涙が溢れていた。




「最低だよね僕……。
せっかく自分を助けてくれたエル様に、あんなに酷いこと言って。

気持ち悪くなったのも、きっと罰なんだっ……」



シエルはゆっくり右腕を伸ばした。




「ごめっ……容器取って…気持ち悪っ…」


「わかった」




容器を渡すと、シエルはそのまま吐き出す。

背中をさすっていると、吐き終え顔を上げる。




「あんまりご飯食べていなかったからかな……。

こっちに来ると、よく食べたもの吐くようになったんだよね。
多分美味しいものにいっぱい出会っているからだと思う。

嬉しい半面、辛いなって思う部分もあるんだ。

我が儘だよね、僕って」




肩で息をしながら、自分を馬鹿にするかのような笑みを浮かべるシエル。

俺は何も言わずに背中をさすった。