心に届く歌








「そういえばシエルくん」




「こっちが僕の部屋」と案内してくれるシエルの後に続こうとしたら、おじさんがシエルを呼んだ。




「お嬢様がシエルくんを呼んでいたよ。
あとで顔を見せてあげなさい。

アンスくんと一緒に行くと、お嬢様も安心するかもしれない」


「……わかりまし……けほけほっ」




咳き込むシエル。

おじさんは立ち上がり、カウンターを出るとシエルの額に触れた。

ビクリとシエルの体が大きく震え上がる。




「大丈夫かいシエルくん。熱があるよ」


「平気です……こほこほっ」


「ドクさんに連絡しておくから診て貰いなさい」


「大丈夫です…」




シエルは首を振ると、おじさんから逃げるように歩きだす。

俺はおじさんに頭を下げ、シエルを追った。