「俺、セレーネの所行って良いっすか?」
「何でだ」
「だって転入してきたばかりっすよ?
やり方わからないかもしれないじゃないっすか」
先生が答えないうちに、彼は僕の所に来た。
「良いかシエル。ここをこうしてだな……」
僕がノートに書き込んだ数式を指で示し、解答方法を教えてくれる彼。
それだけではなく、教科書の数式が載っているページまで教えてくれた。
「今ここまで進んでいるから、復習するなら長いけどここまでやれば、十分授業について行けるぞ」
「……わざわざありがとう…」
「良いって!
わからねぇ所他にもあったら教えてくれな!!」
彼は自分の席へと戻って行く。
頭良さそうには見た目をしているけど、わかりやすく教えてくれて、やっぱり頭良いんだなと気が付く。
答え合わせの時間になり、クラスメイトのひとりが指名され、解答を黒板に書く。
その答えは正解で、僕のノートにも丸がついた。
彼の方を見ると、得意気にピースをしていたので、僕は会釈を返しておいた。



