「えーマジ!?ソレイユ家に仕えているのか!?」
彼の声が大きすぎたため、全員が僕の方に注目した。
賑やかだった教室が一気に静かになる。
「声大きいよ……」
「だってソレイユ家だぞソレイユ家!
王家に仕えているとか、超坊ちゃんじゃん!!」
「でも僕は使用人で……」
「使用人でもあの家に仕えることはすげぇよ!
もっと誇りを持てよシエル!!」
年下のクラスメイトたちも口々に、
「すごい」だの「坊ちゃん」だの声が聞こえてくる。
注目されたくない僕は、目線をお弁当に固定した。
「でもシエル、何で途中からここに転入してきたんだ?
ソレイユ家に仕える家なら、もっと早く入学しても可笑しくないだろ」
「そうだけど……ちょっと色々忙しくって」
転入してきた理由をプランタン国王様に言われていない僕は、テキトーに誤魔化す。
彼はあやふやにした僕の答えを気にする様子もなく、おにぎりを口に運んでいる。
「今度お前の家行っても良いか?」
「えぇ!?」
「超興味ある!
今日じゃなくて良いから、連れて行ってな?」
「……わかった…」
断ることは出来ず頷く。
帰ったらエル様に相談してみようかな……。
でも、良いのかな。
勝手に僕なんかが彼を連れてくるような真似しちゃって。
執事志望のただの使用人が、そんな真似して良いのかな。
その前に僕は……ノール村出身の、いらない奴なのに。
食欲がなくなり、美味しいお弁当の蓋を閉じる。
その後も彼の話を相槌をうちながら聞いていると、
お昼休み終えるチャイムが鳴り、彼は自分の席へ戻って行く。
僕は午後の太陽がサンサンと当たる窓際の席で、貧血の薬を飲んだ。



