『この役立たずッ!!』
『ごめんなさいっ……』
『もっとちゃんと働いてきなさいよ!
あんたを養っているのはこっちなんだから、それぐらいしてもらわないとねぇ!!』
『ごめんなさいっ…僕が悪かったから……がはっ』
『明日はこれ以上稼いで来い!
稼いで来なかったら……わかってるよなァ!?』
『頑張りますっ……頑張りますっ…!!』
「ッ!!」
パチリと目が覚め、勢い良く起き上がる。
汗がびっしょりで苦しい。
ガタガタと震えている体を抱きしめながら、僕は涙を拭わないでいた。
「……シエル?」
「……え……エル、さ…ま……」
「シエルすごい汗……よく拭かないと風邪引いちゃうよ」
お風呂上がりらしいエル様が僕の汗を自分のバスタオルで拭こうと手を伸ばす。
だけど僕はその手から避けた。
「だいじょ…ぶ…です!
僕の汗なんて拭いたら…エル様のバスタオルが汚れてしまいます」
「汚れるなんて言わないの。素直に拭かれなさい」
バサリと頬にバスタオルが当たり、ゴシゴシと拭かれる。
「……くしゅんっ」
「ほーら冷えちゃったんだ。
早くお風呂入ってあったまってきなさい」
「……お風呂の場所、どこですか」
「そういえば初めてのお風呂ね。
ずっと熱だの寝ていただので入らなかったものね。
案内するけど、立てる?」
「はいっ……」
ふらふらするものの立つと、そっと手を握られる。
「あんまりわたし手を繋いだことないけど、
人のぬくもりって案外安心するものなのね。
シエル、教えてくれてありがと」
僕は何も言わず、恐る恐る握り返す。
エル様はにっこり微笑み、小さく「ありがと」と再度お礼を言ってくれた。
やっぱりここにいると、泣きたくなる。



