軽いシエルをドクが背負い、わたしはその後を一生懸命追う。

途中おばさんたちはまだ立ち話をしていて、わたしたちを見て驚いていたけど、無視して車を目指した。




車内に飛び込むと、わたしは広い後部座席にシエルを横にさせ、冬物の上着をお腹にかけ、

車内に常備してある毛布を全体を包むようにかけた。

暖房もガンガンにつけ、冷え切ったシエルの体が少しでもあたたまるよう、手を握った。




「お嬢様、出発致しますね」


「出来る限り飛ばしてちょうだい」




わたしはシエルの人形のように細く、氷のように冷えた手を両手で握った。

少しでもわたしの体温がシエルに届きますように。