心に届く歌







「……知らねぇよ」


「あなたの奥さんはシエルは寝ていると言っていました。
シエルの部屋はどこですか」


「アイツの部屋はねぇよ」


「シエルはいつもどこで寝ているんですか」


「知るか」




お酒の入ったグラスを持ち、ぐいっと一気に飲むおじさん。

わたしは話にならない、とおじさんから離れてシエルを探した。




「お嬢様シエル様は見つかりましたか」



倒れたおばさんをロープで結んだドクが聞く。

ロープは家の中に置いてあったものを使ったみたいだ。




「見つからないわ。

おばさんはシエルは部屋で寝ているって言っていたけど
シエルの部屋なんてないっておじさんが」


「…ともかく探しましょう」


「ドク、あなたはおじさんを見ていて。
わたしがシエルを必ず見つけ出すから」


「わかりました。
くれぐれもお気をつけて」


「あなたもね」




わたしはやけに広い平屋の家を歩き回った。