愛し、愛されたのは優しい死神でした。


「ははは…平気ですよ。さ、次は律さんのお部屋へご案内致しますね。」

「ああ。頼む。」

背の高い男性二人の速度に追い付けない私は小走り気味に後を追う。

律さんの隣に並んで必死に足を動かして歩いた。

すると何気なく触れた手をしっかり繋いでくれた。
こんな小さな優しさでさえ嬉しい。
律さんの顔見てるだけでも嬉しいのに♪

照れ笑いがデレデレ笑いにならないように表情筋に力を入れてしっかり前を向いて歩き続けた。