「おはようございます」 朝、社長室に入ってきた脇田を見た渚は、組んでいた腕を解いて、デスクを叩いた。 「脇田。 蓮の過去を洗え」 そう言うと、何故か脇田は吹き出す。 なんだ? と見ると、 「今まで調べてなかったことにびっくりです」 と答えてきた。 再び、腕を組み、渋い顔をして、渚は言った。 「ま、たぶん。 徳田辺りは調べてる」 「じゃあ、徳田さんに電話しましょう」 そう笑って言う脇田を上目遣いに見、 「……驚くなよ、脇田」 と言うと、なんで僕が驚くんですか、という顔を脇田はしていた。