「俺は、お前に似た女の子が欲しいな」
蓮がうとうとしていると、寝室の暗い照明の中、渚はそんなことを言ってくる。
「男だったら、いろいろ遊びに連れていってやれると思ってたが。
娘もいいよな。
お前に似た可愛い娘とか」
そう言い笑う渚の顔にどきりとしながらも、
「……後継ぎが居るんじゃなかったんですか?」
と訊いてみた。
「二、三人産めばいいじゃないか」
と軽く言ってくる渚に、
「一人もできなかったらどうするんですか?」
と問うと、あっさり、
「じゃあ、養子でももらおう」
と言ってくる。
「いやあの……そもそも、これ、私に後継ぎを産ませようって話じゃなかったんですか?」
どんどん話がずれてってるような、と思いながら言うと、渚は笑い、
「……そういえば、そうだったな」
と言って、蓮の頬にかかっている髪を払ってくれた。



