なにもできない状態のまま時間は過ぎていき、夜が来ていた。


外からの明かりはないけれど、スマホで確認するともう11時を過ぎたところだった。


体育館の中は照明を落とされ、2つの懐中電灯の明かりが周囲をほんのりと照らし出していた。


あたしと空音は1つのマットを使って2人で横になっていた。


寝返りをうつとすぐに転がって出てしまう。


だけど、親友が隣にいるということであたしの心は安定していた。


静かな空間で空音の心音や呼吸音が聞こえて来る。


それを聞いて同じように呼吸を繰り返していると、あたしはいつの間にか眠りについていたのだった……。