「なぁ、これって一体なんなんだよ」


あたしが1人で感心していると、そんな声が聞こえて来た。


視線を向けると2年生の山本アラタ(ヤマモト アラタ)先輩だ。


見ていたら目が痛くなるほどの金髪で、耳には沢山のピアスが付けられている。


他の学年のことなんてまだ詳しくはないけれど、アラタ先輩については色々な噂を聞いていた。


いつも別のクラスの妹尾祐矢(セノオ ユウヤ)先輩と喧嘩をしているらしい。


2人は小学校時代からの腐れ縁らしいが、仲良くなったことは1度もなく反発しあっているそうだ。


あたしは視線を巡らせてみると、その先に祐矢先輩の姿を見つけた。


よりによってこの2人がここにいるなんて……。


不安が一気に押し寄せて来る。


アラタ先輩と違い、黒髪で眼鏡をかけている祐矢先輩はとても真面目な性格をしていると聞いたことがある。


だからこそ、自分の幼馴染が金髪で不真面目だと言う事に苛立ちを覚えているのだろう。