「しばらくはこれでしのげるはずだ。だけど、残っている生徒たちはまだ他にいるかもしれない。自分たちだけで全部食べてしまわないように、気をつけないとな」


辻本先生がみんなを見回してそう言った。


誰からともない「はい」と、返事をする声が聞こえて来た。


すごいな辻本先生は。


こんな状況でもちゃんと先生として慕われているんだから。


あたしはそんな事に感心してしまったのだった。