「知ってるって、なんで……?」


辻本先生は驚いたようにそう聞いた。


「僕たち文芸部は図書室の本をよく借りて読んでいます。特に歴史書。歴史は小説と同じですべての話が繋がっているので、全員で意識的に読むようにしています。


その中に、昔流行った感染病について記載されていました」


辻本先生に支えられていた男子生徒がそう言った。


部長なのか、顔色は悪いがしっかりとした口調で話をしている。


「15歳から18歳までを中心にかかる病気。自殺すれば死体からウイルスが空気感染していく」


そう言ったのは他の部員だった。


全員、知っているのだ。


「先生。僕たちを拘束してください」


部長と思われる男子生徒が静かな声でそう言ったのだった……。