「辻本先生! シャッターが開かないんです!」


あたしは声を張り上げてそう言った。


「ここも開かないのか」


息を切らしながらそう言う辻本先生。


「ここもって……他の入り口も開かないんですか?」


恐る恐るそう聞くと、辻本先生は真剣な表情で「あぁ」と、うなづいたのだ。


「そんな……それじゃぁ、あたしたち完全に閉じ込められたってことじゃないですか!?」


「そうかもしれないけれど、まだわからない。なんで防犯シャッターが勝手に閉じたのか……」


そう言い息を吐き出す辻本先生。


学校中を走り回っていたのだろう、その額には汗が流れていた。


「とにかく、生徒たちを一旦図書室へ移動させましょう。あそこは広いし、座る場所もありますから」


辻本先生が来て少し落ち着きを取り戻した森本先生がそう提案した。


杉崎高校の図書室は別館の1階にあり、去年改装されて綺麗になったばかりだった。


残っている生徒全員がそこに集まる事はできないが、ここにいる生徒だけなら図書室に入ることはできる。


あたしたちは自体を整理するため、図書室へ向かったのだった。