落ちる……!


そう思った瞬間あたしは目を閉じていた。


そして次に目を開けた時に見た光景は、先生がしっかりと彼女の体を抱きしめ、床に転がっている様子だった。


こちら側へと力まかせに引き込んだのがわかった。


周囲からは安堵のため息と、すすり泣きの声が聞こえてきている。


「間に合った……」


あたしの隣で空音がヘナヘナと座り込んでしまった。


「よかった……」


そう口に出すと途端に全身の力がぬけて、あたしも空音の隣に座りこんでしまったのだった。