あたしはすぐに気持を切り替えて、3階へと戻って来た。


D組の中はまだ騒がしく、声を聞いた先生はすぐに表情を変えた。


「何事だ?」


そう声に出しながら教室の中を覗き込む。


その瞬間、彼女が振り向いた。


青白い表情で目の焦点があっていない。


風がふいて彼女をおさげが揺れた。


まるで彼女を外の世界へと導いているように見えて、ゾッとする。


「おい、なにしてる!!」


先生が弾かれたように走り出す。


生徒たちをかき分けて彼女へと手を伸ばす。


彼女の体はゆっくりと前のめりになり、足が窓から離れていく。


「キャァァ!」


女子生徒が甲高い悲鳴を上げ、あたしはキツク目を閉じたのだった。