辻本先生と森本先生が戻ってくるまでの間、あたしは生きた心地がしなかった。


体育館にいられなくなるかもしれない。


みんなバラバラになってしまうかもしれない。


そんな不安が押し寄せて来る。


それはあたしだけじゃなく、みんなも同じようだった。


食料を取り合ったりしていても、一緒にいるから頑張れるんだ。


いざとなればみんなで結束できる。


それが心の支えになっていた。


「きっと大丈夫だから、安心して」


田井先生が必死で優しい言葉をかけてくれる。


普段はその一言ですくわれるけれど、今は不安が消える事はなかった。


そして……数十分が経過した時ようやく辻本先生と森本先生が戻って来るのが見えた。


「先生、どうでした!?」


田井先生がそう聞く。


辻本先生はゆっくりと視線をこちらへ向けて、そして左右に首を振ったのだ。


一瞬、体育館の中が静かになった。