「そうねぇ……このシャッターを取り付けたのが校長先生なら、校長先生しか知らない番号を使うんじゃないかしら?」


「校長しか知らない番号って……つまり、学校とは関係ない番号ってことですか?」


あたしはそう聞いた。


「そうね。学校と関係する数字なら、すぐにシャッターが開けられてしまうかもしれないでしょ? だから、校長先生のプライベートな数字とかなんじゃないかしら?」


校長のプライベートな数字か……。


もしそうだとすれば、あたしと空音が頑張って数字を考えても無駄だと言う事だ。


あたしと空音は肩をおとしてため息を吐き出した。


入学して数か月しか経過していないあたしたちに、校長の個人情報なんて入ってこない。


校長室を調べれば個人的な事もわかるかもしれないが、パスワードとして設定した数字が残されているとは考えにくかった。


「あとはもう、適当に入力して開くのを待つしかないね」


空音がそう言った。


「せめて壊す事ができればいいのに」


あたしはそう呟いたのだった。