それからあたしと空音は2人でシャッターを開けるための暗証番号を考えていた。


校長の年齢や学校の創立記念日。


思い出せる限りの数字を入力していく。


図書館でこの学校の歴史を調べればもっと色々出て来ると思うけれど、今日はもう体育館から出る事はできなさそうだ。


とりあえず食料はあるし、感染後の2人の様子も気になる。


「開かないね」


何度目かチャレンジした時に空音がそう呟いた。


「うん。簡単に開くとは思ってなかったけど、やっぱりちゃんと調べないと限界があるね」


あたしはそう言い、ため息を吐き出した。


「2人とも、少し休憩したら?」


田井先生がそう言い、あたしたちに水を差しだしてくれた。


「ありがとうございます」


そう言って受け取りながら、「田井先生は、なにか思いつく番号とかありますか?」と、あたしは聞いた。


この中で一番長くこの学校や校長と関わって来た先生だ。


田井先生ならなにか違う数字を思いつくかもしれなかった。