その瞬間、教室の中が血に染まっているのを見た。
床や壁、天井にまで真っ赤な血がついている。
教室の奥には机を積み重ねて作られた秘密基地のような空間があるが、机の一部は崩れ落ち、中の様子が丸見えだった。
辻本先生と、知らない生徒が2人。
そしてその奥には……顔が潰されて原型を留めていない死体が2人分、転がっていた。
「お前ら……」
辻本先生があたしたちを見て一瞬顔をしかめた。
また勝手に体育館から出て来たことを怒っているようだ。
だけど、その表情もすぐに悲しい物へと変化した。
「先生、これは一体……?」
あたしはそっと机の秘密基地に近づいた。
中をよく見ると体育館にあった段ボールが1つ置かれている。
と、いうことは……この死体になっている2人は友菜ちゃんと真哉先輩だ。
先輩たちは2人で食料を持って逃げて、ここで息をひそめていたのだ。
感染者が襲ってきても時間が稼げるように机でバリケードを作っていたけれど、いざ襲われると逃げる暇なんてなかったのだろう。
床や壁、天井にまで真っ赤な血がついている。
教室の奥には机を積み重ねて作られた秘密基地のような空間があるが、机の一部は崩れ落ち、中の様子が丸見えだった。
辻本先生と、知らない生徒が2人。
そしてその奥には……顔が潰されて原型を留めていない死体が2人分、転がっていた。
「お前ら……」
辻本先生があたしたちを見て一瞬顔をしかめた。
また勝手に体育館から出て来たことを怒っているようだ。
だけど、その表情もすぐに悲しい物へと変化した。
「先生、これは一体……?」
あたしはそっと机の秘密基地に近づいた。
中をよく見ると体育館にあった段ボールが1つ置かれている。
と、いうことは……この死体になっている2人は友菜ちゃんと真哉先輩だ。
先輩たちは2人で食料を持って逃げて、ここで息をひそめていたのだ。
感染者が襲ってきても時間が稼げるように机でバリケードを作っていたけれど、いざ襲われると逃げる暇なんてなかったのだろう。