「入らないのか?」


祐矢先輩にそう聞かわれて空音は慌てて「行きます」と、返事をした。


あたしは3人がB組に入って行く様子を少し離れた廊下から見ていた。


アラタ先輩が床に付いている血痕をみつけて、何かを言っている。


あたしはその声を聞きたくなくて、自然と両耳を塞いでいた。


空音が怒りを込めた表情で何かを説明しているのが見えて、あたしはキツク目を閉じた。


たとえ学校が再開されたとしても、あたしはもうこのB組で以前と同じような気持ちのまま授業を受ける事はできないだろう。


そう思うと、悲しくて、知らない間に涙が滲んでいたのだった。